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フランス人フォトグラファー、ヴァンサン・フェラーネ(Vincent Ferrané)の作品集。本作は、トランスジェンダーやノンバイナリーの人々を写し出したシリーズを一冊にまとめており、そこでは性別で分けたり言及することはない。社会的、文化的な規範や慣習という枠組みの中で、女性と男性という二元的な見方に当てはまらない、あるいはそれに縛られない様々な性の在り方に光をあてる。本書中に登場するうエイヴァ(Ava)、ジャッキー(Jackie)、レオ(Leo)、マチュー(Mathieu)、マティアス(Matthias)、マティ(Maty)、ラヤ(Raya)のポートレイトは、出かける前に鏡の前で身支度を行う様子の記録である。その行為は、プライベートな空間でなされる、シンプルでありながら物理的にも象徴的にも重要な意味を持つものである。一見当たり障りのない日常の一コマの中で繰り返される、その人固有の行為、表象、手順、歴史、信念を通じて、自分らしさという概念がいかに儚く弱いものであるかが明らかにされていく。キュレーターのジョエル・リフ(Joël Riff)のエッセイを収録。
by Vincent Ferrané
hardcover
56 pages
215 x 275 mm
color
limited edition of 500 copies
2020
published by LIBRARYMAN