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アメリカ人フォトグラファー、フランチェスカ・ウッドマン（Francesca Woodman）の作品集。本書は、アメリカの写真界の草分けとなった作者の過去作品が40点以上、とりわけ未公開作品が多く収録されている1冊。思考の過程や、関心、影響を受けたものなど作品の着想となったものを中心に、作者の創作の軌跡を追った作品群である。写真はテーマごとにまとめられ、いままでにない視点から作品間の繋がりに注目している。特にアメリカ・ロードアイランド州のプロビデンスや、イタリアで過ごした黎明期から集められた未公開の作品やアーカイブの資料などが見どころとなる。

評論家で小説家でもあるクリス・クラウス（Chris Kraus）の書き下ろしエッセイ「Impure Alchemy」を掲載。日記や手紙などを直接資料としながら、写真を通してその生涯を論じ、作品を彩る技巧と文学的手法について思いを巡らす。

本作は、幾代にもわたる作者の影響を示す一冊であり、その作品の概論を見事に表している。クラウスの言うように、今でも「新しく謎と疑問を生む」作家なのだ。