カリフォルニア、オークランド在住のフォトグラファー、エイプリル・ドーン・アリソン(April Dawn Alison)の作品集。エリン・オトゥール(Erin O’Toole)による編集。作者が30年以上に渡って撮り続けたセルフポートレイトをまとめた一冊。男性として生を受けた作者の女性としての人格、「エイプリル・ドーン・アリソン」の様々な表情が写し出されている。2017年にサンフランシスコ現代美術館に寄贈されたこの未発表のセルフポートレイトのコレクションが撮り始められたのは1970年代。ためらいが見うけられるモノクロ写真群が並んだのち、80年代に入ると古典映画、BDSMポルノグラフィそして広告の影響を受け、大胆な色使いの生き生きとしたイメージにがらりと変わり、取りつかれたように撮り続けたアーティストの姿がうかがえる。世間に見せることのない自己の一面を長期間に渡って探求したこの特異なプロジェクトのアーカイブには、美しさ、面白さ、不可解さ、悲痛さといった全ての感情が入り混じった写真が収められている。アメリカ人作家で「The New Yorker」誌の劇場評論家であるヒルトン・アルス(Hilton Als)、アメリカ人のトランスジェンダー・マルチメディアアーティスト、LGBTアクティビスト、女優、NETFLIXの大ヒットシリーズ『Transparent』のプロデューサーであるザッカリー・ドラッカー(Zackary Drucker)、サンフランシスコ現代美術館写真部門のアソシエイト・キュレーターであり本作の編集を務めたエリン・オトゥール(Erin O’Toole)のエッセイを収録。本作は、サンフランシスコ現代美術館で2019年7月から開催されている同名展覧会に伴い刊行された。
hardcover
220 pages
245 x 275 mm
color
2019