短篇読み切りの小冊子シリーズをはじめます。第一弾は、ヴァージニア・ウルフがまだデビューしたての頃に発表した知られざる傑作を、初邦訳でお届けします!
若い女性たちがいつものようにサロンに集っていたある日、ふと疑問を抱きます。ねえ、男の人たちって本当に私たちより優れているの? 私たちって本当に男性よりも劣っているの? と。そこで彼女たちは「協会」を結成、文学界、法曹界などなどの男性社会に潜り込んで、5年後に報告し合うことになり……という、血湧き肉躍るフェミニスト冒険譚。片山亜紀さんによる充実の解説も付いています。
ちなみに、本作を男性評論家に酷評されたウルフは、このような直接的な手法でフェミニズム小説を書くことはありませんでした。以降の文学的な評価は、皆さんご存じの通り。そういった意味でもとてもレアで、熱い思いの込められたウルフ作品です。