2010年に東京を拠点に設立されたアートフォトブック専門のディストリビューター”twelvebooks”。
北アイルランド出身のファッションデザイナーで、「LOEWE」と自身のブランド「J.W. Anderson」を手がけるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)がキュレーションを務めた展覧会「Disobedient Bodies: JW Anderson curates The Hepworth Wakefield」(2017年3月18日 – 6月18日)に伴い出版された2,000部限定発行の展覧会図録。様々な種類の紙を要所に使用、かつ142ページにわたり各ページ毎に作品を一つ掲載するスタイルで編集され、製本はあえて簡素にゴムだけで綴じられている。ジョナサン・アンダーソンが絶大な信頼を寄せるイギリス人フォトグラファー、ジェイミー・ホークスワース(Jamie Hawkesworth)による未発表作品や展覧会で展示した作品のほか、イギリスの西ヨークシャー州にある美術館ヘップワース・ウェイクフィールド(Hepworth Wakefield)のチーフ・キュレーターを務めるアンドリュー・ボナチナ(Andrew Bonacia)とジョナサン・アンダーソンによる対談、イギリス人ファッションジャーナリスト、サラ・モーア(Sarah Mower)が執筆したテキストも収録される。イギリスの出版社「IN OTHER WORDS」を主宰するデザイン・スタジオ「OK-RM」とジョナサン・アンダーソン、アンドリュー・ボナチナによるコラボレーションのもと制作された本書は、バーバラ・ヘップワース(Barbara Hepworth)、ヘンリー・ムーア(Henry Moore)、コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brancusi)、アイリーン・グレイ(Eileen Gray)、サラ・ルーカス(Sarah Lucas)、 ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)、ヘルムート・ラング(Helmut Lang)らアーティストやファッションデザイナー達が手がけた作品に加え、アンダーソン自身のコレクションから厳選された作品が多数収録されている。「Disobedient Bodies(従順でない身体)」と題された本書は、ヘップワース・ギャラリーにおいて展開された規定の型にはまらないような作品のコンビネーションが、ジョナサン・アンダーソンとジェイミー・ホークスワースによるフォト・プロジェクトのイメージと影響し合い共鳴しあっている。さらに各見開きページに見られる組み合わせは、実際の展示をそのまま反映するだけでなく、本書独自のフォーマットのみが持つ身体性を重視した新しい組み合わせを多数収録し、タイトルそれ自身が予想もしなかったような新しい出会いへと突き動かす場となっている。「(…)本書はこれらのアート作品にもうひとつの生命を与える機会となった。この作品集がもうひとつの展示空間となり、作品同士の新たな対話の場となった。それぞれが独自の個性とストーリーを持つ本を複数制作することもできたはずだ。建築家、デザイナー、キュレーターは皆それぞれ異なる考え方を持ち、物事に対してちがう見方をする。「Disobedient Bodies」の制作過程で、我々はそれぞれの専門分野に何らかの形で多少反抗的になる(disobedient)必要があった。自分がどのピースにはまるのかを考えなければならない、パズルのようなものだ。」- ジョナサン・アンダーソン
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