旧ユーゴスラビア出身のパフォーマンスアーティスト、、マリーナ・アブラモヴィッチ（Marina Abramović）の作品集。作者は、50年のキャリアを通じてシャーマニズム、錬金術、仏教の要素を取り入れてヨーロッパの宗教的・神秘的な伝統を拡張し、いずれの教義にも囚われない独自のアプローチで「超越的なもの」を探求してきた。ドイツのテュービンゲン美術館館長ニコール・フリッツ（ Nicole Fritz）がキュレーションを担当し、作者のスタジオとの緊密なコラボレーションによって実現した同名展覧会は、作品の精神的な面をクローズアップした最初の展覧会である。主な作品の記録に加え、様々な専門家による分野横断的なエッセイを収録。作品を個人的であると同時に普遍的な精神的鍛練の一つの形として捉え、人はそこから学ぶことができるという視点から新たな洞察を提供している。学びという点に関して、作者はパフォーマンスアートを支援するNPO、マリーナ・アブラモヴィッチ・インスティテュート（MAI）を2007年に設立している。